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♪シャトー・オー・ブリオン(CHATEAU HAUT BRION)の物語♪
ボルドー地方クラーブ地区の一級品。男性的でたくましく、香りの要素が多彩なワインです。
◆ 作家が有名にしたワイン ◆
16世紀なかばにこのシャトーの持ち主であったポンタックの親戚がロンドンで居酒屋(兼旅館)を開く、ということで、彼はシャトー・オー・ブリオンをその居酒屋に提供しました。親戚の助けになればという親切心でのサービスでしたが、実はこの宿の常連には『ロビンソン・クルーソ−』のダニエル・デフォーや、『ガリバー旅行記』のスウィフトなどの流行作家が名を連ねていました。彼らは、ここで飲み、いたく気に入ったこのワインの味わいを機会あるごとにいろいろなところで紹介したので、次第にロンドンでこのワインが有名になったといいます。ポンタックにとっては、思わぬ宣伝効果といったところでしょうか。
◆ 「会議は踊る、されど進まず」 大臣を酔わせたワイン ◆
ナポレオン戦争後の混乱の処理とヨーロッパ秩序を目的とした「ウィーン会議」は連日連夜の晩餐続きで1年にも及んだため、「会議は踊る、されど進まず」と揶揄されたことは有名。しかし、その陰にフランスの国益を守ろうとするタレーランの暗躍があったとも言われています。というものも、タレーランは外国の用心を美酒美食攻めにし、次第にかれのペースに巻き込まれ、最終的にフランスは敗戦国でありながら領土を殆ど失うことなく終了したからです。もちろんその際に供されたワインは、シャトー・オー・ブリオンだったのです。という訳で、このワインの名前はフランス、イギリスだけでなくヨーロッパ全土に広まったのです。
◆ 大胆な革新を続けるシャトー ◆
もちろんこのシャトーが栄光を極めたのは有名人のおかげではありません。常に極上のワインを造ろうとする所有者達の努力は、目を見張るものがあります。まず、木の樽による発酵はワインに揮発性の酸が生じますが、これを解消するべく、ステンレス製の樽を真っ先に採用したのも、このシャトー。また戦後になると、完全な温度管理、新しい樽による長期熟成、徹底した清澄をはじめ、頑固に昔ながらの製法を続けることをよしとせず、近代醸造学のもとバイオテクノロジーを導入し、品質向上に向けた努力を怠りません。クラーブ地区は畑の地質に恵まれており、比較的ワイン醸造をしやすいといわれていますが、名前や環境に慢心せず、常に新しいワイン造りを目指しているのは、さすがです。味わいは男性的と言われていますが、メルローの比率が高いため、ボルドーワインの中では比較的渋みが少なく、親しみ易い味わいを持っています。
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